いまから10年もっと前。
おんなじ業種の違う施設ではたらく仲間がいた。
その彼が退職をして。
その彼は、当時の
「福祉の現場で働くステレオタイプ臭」
みたいなものをいっさい感じさせない、異端系な雰囲気をただよわせていて。
退職の報に触れた時は一抹のさみしさがあったのを今でも覚えている。
その彼が。
先月じぶんの店をオープンさせた。
「やっとですよー、10年かかりました」
笑顔で言い放ちやがる。
自分の人生としっかり向き合った、向き合い続けてきたんだろうな。
振り返って自分はどうだろう。
いや、別に自らのこの業界で続けてきたことに疑問はない。続けてきたことに後悔もない。
たとえば「惰性」の部分はなかったか?
とか。ま、過去をほじくってそこに時間を割くのはワタクシえんちょうとしては好まない。
これから。
少なくともこの彼に恥じない生き方をしなければな、と想いを秘めてカレーを食べてきた。
おいしかったよ。
えんちょう。